のんきみち日誌

『のんきみち』で、《読み合い》した本の記録を中心に、のんきみちな気分で綴るブログです。

えほん紹介コラム②

f:id:easy2going:20200410131942j:image「葉っぱのあかちゃん」

写真・文 平野隆久(岩崎書店

 

桜の花びらがすっかり飛び、赤茶けた花の軸だけになると、途端に新緑が芽吹き始めます。

春という季節は、刹那の連続で、目まぐるしく変化が感じられるとき。

子どもと一緒に過ごす時間も、そんな春の感覚に近いのかな、、。

昨日出来なかったことが、今日は出来るんだ!
ということが、結構あります。

うちの8歳児は、今日1人でほぼ助けを借りずに、クッキーを焼きました。

うちの5歳児は、実験の本を読んで、色水を作って喜んでいます。


予定が全部なくなってしまって、ぼんやり子どもを見てると、あれれ、そんなこと出来るんだ!とびっくりすることが、時々あります。

絵本との出会いも、また然りで、私自身に心の隙間がないと、入ってこない絵本があります。


「葉っぱのあかちゃん」は、春の新芽をただただ写真でつづった絵本です。

まだ子どもが小さい頃、友人から頂いた絵本だったのですが、当時育児に目まぐるしかった私は、ゆっくりと木の芽を愛でる余裕はありませんでした笑

今、いつもと違う春を迎え、不要不急じゃないよ、、と遠慮しながら外に出たときに見る春の風景は、いつも通りなのにどこか愛しくて、輝いて見える気がするのは何故なんでしょう?!

そんな感覚で、この絵本を見ると、それぞれの木が、それぞれの形、色、必然性を持って広げる葉っぱの造形に、見入ってしまいます。

まだ赤ちゃんだから、小さくて可愛い存在だけど、ちゃんと生まれ持った形をして、堂々と伸びていく新芽に、いろんな感情が湧いては消えする感じです。

「葉っぱはみどり」とは言うものの、本当は同じ緑色のものは一つもなくて、山はたくさんの違う緑色が集まってできている!

最後のページの淡いカラフルな山の色を、是非じっくり味わってみてください。
きっと心に爽やかな風が吹いてきますよ。

 

記:まりちゃん