のんきみち日誌

『のんきみち』で、《読み合い》した本の記録を中心に、のんきみちな気分で綴るブログです。

えほん紹介コラム⑨

f:id:easy2going:20200522160539j:image「ポケットのないカンガルー」作:エミイ・ペイン 絵:H.A.レイ 訳:にしうちミナミ(偕成社

 

赤ちゃんが生まれて、母親になったとき、キラキラした嬉しさと共に、大きすぎる重責感をズーンと感じたことを思い出します。

初めての子育て、相手は赤ちゃん、何でも努力はしてみるものの、必ず上手くいくわけではありません。
頑張っては落ち込んでの繰り返しで、誰にも相談できない時期がありました。

 

今回、ご紹介する「ポケットのないカンガルー」は、そんな母親のモヤモヤした悩みに、明るく前向きにアプローチしてくれる絵本です。


カンガルーの母なのに、なんとお腹にポケットがないケィティが、主人公です。

他のママと比べても、明らかに大ピンチ!
「私だけ、坊やをどこにも連れて行ってあげられない」との冒頭から泣いています。

でも、ある日「ポケットのない動物は、どうやって子どもを運んでいるのかしら?」と聞きに出かけるのです。

ケィティは、ワニやサルなど、様々な動物に赤ちゃんを運ぶ方法を聞いて回り、そのやり方を試してみたり、子どものフレディと話し合ったりします。

そんな中で、町に行けばいいものがあるらしいという話を聞いて、町までひとっ飛び。

親切なおじさんから とっておきのアイテムをもらったケィティは、自分の子だけでなく、森じゅうの赤ちゃんのお世話ができるようなスーパーお母さんになるのです!


明るい黄色の表紙と、陽気な動物たちの表情は、屈託がなく晴れやかで、眺めるだけでも元気が出そうな雰囲気です。
絵は、「おさるのジョージ」で有名なH.A.レイさん。

子育ての悩みに対して、周囲の動物に相談し、素直に頼るケィティからは、何だか勇気がもらえる気がします。
こんなバイタリティーこそ、肝っ玉母さんになるには、きっと必要!!

悩みの尽きない子育ての道ですが、ケィティのように、明るく前向きな母でいれたらいいな。

 

記・まりちゃん

えほん紹介コラム⑧

f:id:easy2going:20200522160308j:image「きつねのホイティ」作:シビル・ウェッタシンハ 訳:まつおかきょうこ(福音館書店

 

コロナ自粛になって、失われたものの一つに井戸端会議があると思います。

私は結婚を機に上京したので、子どもを産むまでは、近所に友達もおらず、まさか自分が井戸端会議をする立場になろうとは思ってもみませんでした。

でも、我が子が公園で遊べるくらいの年齢になると、砂場で子どもが延々と砂いじりをしている間に、近くにいる大人同士で小さな会話ができるようになりました。

 

幼稚園に入園して、毎日バス停まで送り迎えをするようになると、もうどっぷり井戸端会議の仲間入りを遂げることになります。

子どもを何とかバスに乗せた後、少しだけのつもりがすっかり話し込んでしまうくらい井戸端会議をして家に帰ると、なんだか心スッキリ。

かしこまった「相談」や「懇談会」ではないからこそ、井戸端会議には ざっくばらんに何でも話せる良さがある気がします。

 

さて、今日ご紹介する「きつねのホイティ」は、スリランカが舞台のお話で、3人のおかみさんの井戸端会議が出てきます。

きつねのホイティは、変装して人間をだまし、ご馳走にありつこうとするのですが、アンゴウ、マンゴウ、ランゴウの3人は、すぐにその正体に気づきます。


井戸端会議で、ホイティの正体をバラしながらも、気づかないフリをして 気前よくご馳走を食べさせてあげる3人。
「今日はうちに きつねがきたのよ!」
と話し合う様子は、本当に愉快で楽しそうです。

お調子者の きつねのホイティと、3人のおしゃべり好きの女性たち・・・
だまし合いの勝負、最後に勝つのはどっちでしょう?!


南国の日差しと、自然に囲まれた村での豊かな暮らし、そして何より女性のパワーと懐の深さを感じる 楽しい1冊です。

 

記・まりちゃん

えほん紹介コラム⑦

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「かがやく昆虫のひみつ」中瀬悠太 著・写真 内村尚志 絵 野村周平 監修(ポプラ社

 

 

急に暑くなって、家の周りで 虫に出会う機会も増えてきました。

我が家では、プランターに植えたジャガイモの葉に、アブラムシが襲来!!
それに誘われて アリ、テントウムシもやってきて、虫社会が形成されつつあります。

もちろん、芋が食べたい人間は、大慌てで対策に追われていますが、そのために観察は必須です!
「キャー!気持ち悪い!」
と最初は抵抗感がありますが、毎日水をかけたり、セロテープでくっつけたりしながら 付き合っていると、だんだん慣れてきます。

今日は減ったかな、、という日もありますが、彼らの自然の力はたくましく、根絶ではなくお付き合いだな〜と思う今日この頃です。


さて、話がだいぶん逸れてしまいましたが、今日 ご紹介する本は、「かがやく昆虫のひみつ」です。

表紙のメタリックなコガネムシの写真を見て、虫好きの息子に・・と手に取りました。
予想通り、どハマりした息子!

最初は、とにかく眺めます。
図鑑ではないので、1ページにどーんと大きく載っている昆虫の写真は、どれも金属っぽい光沢で七色の輝きです。

「この色がカッコイイ!」
「お母さんは、どれが好き?」

単純に、自然の色彩の鮮やかさを目で楽しめる絵本のような1冊です。

「虫は苦手だけど、色だけで選ぶならプラチナコガネかな、、」
恐る恐るページをめくる母。

そのうち、解説ページを音読させられることに、、、。

そこを読んでいくと、メタリック昆虫の「色のヒミツ」がどんどん明らかになってきました。
ピカピカしたコガネムシなど、金属っぽいけど、金属でできているわけではありません。
それは「構造色」という成り立ちでできていて、絵の具で塗った色とは全く違う反射をしているそうです。

虫から、色の成り立ちや、光の反射、物質の構造を考えさせられます。

「生物」のつもりが「物理」!?
はたまた法隆寺の玉虫厨子(たまむしのずし)とかも出てきて、「歴史」?「工芸」?


虫が好きな人も、苦手な人も、様々な切り口から「色」を楽しめる1冊です!

 

記・まりちゃん

オンライン「のんきみち」始めました!

新型コロナ対策により、休園、休校、外出自粛の続く日々ですね…

絵本サークル「のんきみち」の絵本の読みあい活動も、3月からずっとお休みしていましたが、

4月からはZOOMというオンライン会議を使って、集まれる場をもう一度作ってみることにしました❕

 

4月10日(金)と17日(金)は、とりあえず集まれるスタッフでお試し開催⭐️

パソコン画面や、スマホ画面上ですが、久しぶりに見知ったメンバーの顔が見れて、なんだか嬉しくなりました!

自分や家族のことをざっくばらんに話したり、絵本の読み聞かせにもチャレンジ!

途中、回線がうまく繋がらなかったり、操作に慣れないこともありましたが、リアルタイムで話ができて、ちょっとホッとできる時間になりました🍵

 

4月24日(金)からは、誰でもOKということでお知らせして、毎週金曜日の15時からZOOMを使ってオンライン「のんきみち」を開催しています。

 

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画面を通してだと、なかなか自由なフリートークはやりづらいので、絵本クイズや、しりとりゲームをしたり、じゃんけんで読み聞かせする人を決めたり(希望者のみ)、遊びの要素も交えつつ、オンラインでの「のんきみち」を模索しています。

お子さんも一緒に参加OK!
本の紹介をしたい人は、1冊準備をして、、という感じでやっています。

 

5/1では、絵本しりとりをやってみました〜❕

1人制限時間1分で、絵本もしくは家の中にあるものを探し回り繋いでいくのが、借り物競争のようで結構楽しかったのです!↓↓↓

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《絵本サークル「のんきみち」のモットーである3つの場づくり》

1.絵本を小さなきっかけにつながれる場
2.ゆったり、ほっこり、心をゆるめる場
3.多様な絵本と共に、多様性を認めあえる場

このへんを、あんまり外さないようにしつつ、オンラインでの楽しみ方を探して、どんどんチャレンジしていってみようと思っています。


*外出自粛で、家の中で過ごすことが多い昨今ですが*

気分転換やおしゃべりに、

是非オンライン「のんきみち」に遊びに来てください!

 

参加方法

毎週金曜日15時〜15時40分
オンライン「のんきみち」ZOOM会議室にて開催中

5月は、1日、8日、15日、22日、29日の開催予定です。

毎週参加しなくて大丈夫です。
出席、欠席の連絡も必要ありません。

お手持ちのスマートフォン、パソコンからご参加できます。

参加希望の方は、下記までメールにて連絡ください。
一度登録していただければ、その後はいつでもご参加いただけます。

tsunemari@icloud.com(山元)
お名前、メールでの連絡先、「のんきみち」を知ったきっかけをご記入ください。

折り返しZOOMミーティングへの招待メールと、パスワード、詳しい参加方法をお送りします。

 

まだまだ長丁場のコロナ対策の日々ですが、少しでも元気に楽しく過ごせるよう、がんばっていきましょう!

えほん紹介コラム⑥

f:id:easy2going:20200501101701j:image「かえうた かえうた こいのぼり」石井聖岳講談社

 

5月に入ると、急に半袖でも大丈夫な日が出てきて、空の色もぐっと濃さを増す気がするのは私だけでしょうか?!

いつもは、遠方の実家で過ごすことの多かったGWですが、今年はステイホームで過ごす予定の我が家です。

ちょっと季節感が足りないかな、、と思っていましたが、息子はちゃんと見ていました。

「あっ、鯉のぼり!!」

近所のお家にはためいている、大きな鯉のぼりを、今年も見れて嬉しいな。

 

この時期になると、読みたくなる我が家の定番の絵本があります!

それは、「かえうた かえうた こいのぼり」という、やんちゃなトラの子3兄弟のお話です。

「やねよ〜り〜 た〜か〜い こいの〜ぼ〜り〜」
という、きっと誰もが一度は歌ったことのある童謡を、子どもたちが、楽しい替え歌にして、元気よく歌います。

例えば、「くもよ〜り〜 た〜か〜い こいの〜ぼ〜り〜」
すると、鯉のぼりに乗って、本当に雲の上まで、みんなで飛んでいってしまうのです。

一緒に飛ばされたお父さんは大慌て!でも、子どもたちは、誇らしげに「ねえ、どうだった?ぼくたちのうた」とお父さんに聞くのです。
お父さんにコメントをもらうと、嬉しくなって、さらにスゴイ鯉のぼりを考えて歌い出す子どもたち。

調子のいい歌と躍動感のある絵で、1番、2番、3番・・と、鯉のぼりのイメージが自由にどんどん広がっていきます。

楽しい替え歌を歌いながら、絵本を見ていると、親も子も遊び心をくすぐられてテンションが上がってしまいます。

この絵本に親子ですっかりハマってしまった我が家では、絵本を読んだ後しばらくは、鯉のぼりブームが続き、何でも童謡「こいのぼり」の替え歌にして歌い合う状況が続きました。


なかなか、家から自由に出られない昨今ですが、「かえうた かえうた こいのぼり」のように、自由に替え歌をしたり、遊んだりして、親子でちょっとふざけた時間を共有できると、気持ちも発散できるし、ホッとします。

読むだけで、自然に歌も歌えて、笑えて、ツッコミたくなってしまうこの1冊、おススメです。

 

記・まりちゃん

えほん紹介コラム⑤

f:id:easy2going:20200529175711j:image「だんぼーるおうじ」長野ヒデ子(世界文化社

 


ずっと家に子どもがいると、あぁ片付かない、、。
うちは小3と年長さんの2人姉弟がいるのですが、2人が仲良く遊んでくれる日は、平和だけど家の中がぐちゃぐちゃになります。
もう足の踏み場もないくらい、、、。

彼らの遊びへの意欲と、創作の自由さは、天下一品。
次から次へと妄想が暴走し、制作物の完成度などメチャメチャ低くても、妄想でどこまでもカバー。

こんな2人のエネルギーの原点は、きっと幼稚園時代の自由保育の中で大いに遊び、大いに作った経験なのではないかな、、。

 

「だんぼーるおうじ」に出てくるゆうちゃんも、ダンボールで遊ぶ天才の男の子です。

園でも、お家でも、とにかく廃材を使って工作をしながら、ごっこ遊びを展開していきます。

最初はそれぞれの子どもが、バラバラに制作していたのですが、だんだん一緒に遊び出して、みんなで一つの大きな機械を作り出します!
また、途中から園長先生も遊びに誘われて、本気で怪獣になりきり、子どもたちとの戦いが始まります。

それまでダンボールにしか見えなかったものが、本物の怪獣やロボットになる瞬間!!

これこそが、子ども時代の真骨頂!という気がします。

最後は遊びすぎてぐちゃぐちゃに壊れてしまったダンボールの海で、大笑いをしている子どもたちと先生。

大人は片付けやゴミ減量ばかりに気を取られてしまって、なかなかこんな楽しさを味わうことはできませんが、大切な子ども心を思い出させてくれる1冊です。

 

記・まりちゃん

えほん紹介コラム④

f:id:easy2going:20200415115022j:image「OLIVIA オリビア」作:イアン・ファルコナー 訳:谷川俊太郎あすなろ書房

足し算と引き算のどちらかでいうと、完全に引き算に成功している絵本だと思います。
使われている色は、ほぼ白と黒と赤だけ。
ブタの女の子と、家族のものがたり。
淡々とした日常生活…
朝起きて、着替えて、出かけて、ご飯を食べて、寝る。

シンプルな中に込められた、子どもへの愛情ある目線に、ほっこりさせられる1冊です。

「これがオリビア。なんでもじょうず。
ひとをへとへとにするのがとくい。」

そうそう。子どもって、大人をへとへとにするのが本当に得意ですよね…。
でも、彼らがやっている遊びやこだわりって、とんでもない可能性を秘めているので、ないがしろにもできないのです。

姉弟や親子でのかけひきや、思いついたら試さないと気がすまないところなど、
子育てあるあるが印象的にちりばめられています。
でも親は一つも怒ることはなく、やれやれ…と子どもらしさを全面的に受け入れて、「なんてったって、あいしているからね」と伝えるのです。

いつもへとへとにされて、「子育てなんて、理不尽だ」とウンザリしがちだった私は、
この絵本から、子どもに振り回されることを楽しむ術を学んだような気がします。

また、寝る前にこの本を読む時間は、叱りすぎてギスギスしてた親子関係に、ちょっと優しいクスッとした笑いを提供してくれました。
我が家にとってはまさに「子育ての救世主」のような1冊だったと思います。

 

 

記・まりちゃん